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猫の幸せ

今日の政庁跡、絵画クラブらしいご老人方が絵を描いていた。みな帽子を被り、背中を丸めて、日向に折りたたみイスを置いてあちらこちらに座っていた。ひとりのおじいさんの手元をちらりと観たら、やさしい絵だった。やさしい色使い、やさしいタッチ。いい絵だなと思う。

 

昨日は日中、開けた窓から子猫の鳴き声が聞こえていた。うちのマンションの駐車場かとなりの病院の駐車場か。何回も様子を見に行ったり、水やソーセージを持っていったりして仕事にならなかった。元気な声がするのに姿が見えない。どうやら駐車してある車の下から内部に入っているようだった。部屋に戻ってからも車のエンジン音が聞こえると気が気ではない。午後、ようやく目にしたその子は、手のひらくらいの小さな小さなサビ猫で、しかもものすごく身体能力に優れた子だった。こちらに気づくとイタチかねずみのようにすごい早さで走って逃げて、たまげた。あんなに早く動く子猫ははじめて見た。そしてすぐに車の裏に潜り込む。車にひかれちゃうかエンジンに焼かれちゃうぞ。でも警戒心が強くてとてもつかまえられなかった。人間を見ると逃げるのに大きな大きな声で鳴く。必死に母猫を呼んでいるのだろうか。置いておいたウインナーはなくなっていたけれど、夕方になるとぱたりとその鳴き声が聞こえなくなった。遠くに行ったのか、どうかしたのか。今日も鳴き声はしない。目の大きなかわいい子だった。

うちの兼継は、子猫の鳴き声が聞こえていないわけはないのに、まったく無関心だった。兼は自分を猫だと知らないから、同族の鳴き声だと思わないかもしれない。