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気まぐれ

絵を描くときはせっかちで、昔「自分は向いてるだろう」と信じて習った銅版画が、まったく不向きだとわかったときは、笑ってしまった。

タッチに任せて絵を描くから、下描きも好きじゃないし、ラフ・スケッチも気がのらないし、銅版画のように絵を仕上げるまでに行程がいくつもあるといらいらすることが、そのときわかった。

 

最初に、つけペンと墨汁で人物の顔を描く。偶然に描けたその顔と線に導かれて、そのあとどうするか決めていく。どこに向かったら自然な動きか、このひとは何を求めているのか、探りながら描いていく。最近はすこし構図が複雑になってきたので、途中アタリを鉛筆で描きこむ。

手数がかかるモチーフから描くときもある。植物とか。細かな花や葉を黙々と先に全部描いてしまって「こんなに苦労してここまで描いたから、絶対失敗したくない」という緊張感をつくってから、人物を描くときもある。

 

鉛筆でラフを描こうとすると、なーんにも出てこないというか…手が動かないというか、経験だけで、新しいものが出てくる感じがしない。仕事の依頼ではラフが必要な場合がほとんどなので、これは課題でもある…。仕事において、クライアントさんとわたしの予想を超えるものが描けるようになれたら良いなと思う。

 

下描きもラフもなしで架空の顔を描くことが、いちばんわくわくすることだ。3度の食事より好きかもしれないし、延々と描いていられる。

もし、今後いっさい静物画か風景画以外は描いてはならないと言われたら、あっさり絵を描くことをやめると思う…うーん、いや、どうだろう。